健康コラム

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気になる子どもの成長(2)「食生活について」

汐田総合病院 小児科 冨澤明子医師

 こどもの成長に影響を与える要因には多くのものがあります。家族の体格や思春期発来の時期(声変わりや初潮発来年齢)などの遺伝、ホルモン分泌異常(成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性腺ホルモンなど)、基礎疾患、食生活、運動、睡眠時間、精神状態(学校や家庭の養育環境など)、投薬(内服や注射によるステロイド全身長期大量投与など)などです。本日はこの中の食生活についてお話しさせて頂きます。

 食生活の基本はバランスよく3食に分けて食べることす。外食時や市販の惣菜を購入する場合、炭水化物や脂肪が過剰になりやすいので、単品でたくさん食べるより何品か組み合わせて野菜や海藻、キノコ類などいろいろな栄養素も摂取するようにしましょう。

 乳幼児や思春期のこどもは成長目覚ましい時期であり、骨や筋肉を丈夫にするビタミンDやCa、タンパク質を十分に摂取する必要があります。食物アレルギーによる食事制限、日光暴露への過度の被覆、やせ嗜好による無理なダイエットなどにより過去の病気とされていたビタミンD欠乏症が近年話題になっています。

 骨密度は思春期に最大となるため、この時期に上記栄養素を欠乏すると将来成人になってから骨粗鬆症になるリスクがあります。

 さらに体格は正常でも、野菜が苦手なこどもも多く、外来の検査で偶然発見される鉄欠乏性貧血も珍しくありません。低身長の原因のひとつとして近年亜鉛欠乏も注目されるようになってきました。亜鉛は味覚を正常に保つ働きもあり、不足すると身長の伸びが悪くなったり、食欲不振の原因になります。比較的亜鉛が多く含まれている食品には牡蠣、うなぎ、豚もも肉、チーズ、納豆、ホットココアなどがあります。

 ヨウ素は成長にも関係する甲状腺ホルモンの元になる大事な栄養素ですが、過剰に摂取するとかえってホルモン分泌量が低下します。インスタント食品などに多くのヨウ素が含まれているので摂りすぎには注意が必要です。

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