健康コラム

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今年のスギ花粉症対策は?

汐田総合病院耳鼻咽喉科 塩野 久子医師

今年は少なめ

小児から高齢者まで花粉症の患者は増加していて、いまや国民病とも言われています。今年はどうなるかと不安に思っている方も多いことでしょう。

ずばり今年のスギ花粉量は少なめ、横浜では過去10年平均の40%ほど、昨年の30%ほどと予想されています。これは、昨年夏の低めの気温と長梅雨による日照不足の影響、大量の花粉飛散が2年連続した翌年のためです。飛び始める時期は暖冬のためやや早まる予想でしたが、年明けの寒波で例年並みの2月上旬頃ではないでしょうか。

生活は花粉対策モードで

対策の基本は体の中に花粉を入れないことです。大量の花粉が入ると薬の効果も期待できません。

*花粉情報に注意

<要注意日とは>

  • 最高気温が高めの日
  • 天気は晴れまたは曇り
  • 湿度が低い
  • 風が強い
  • 前日が雨

<花粉の多い日は>

  • 外出を控える
  • 窓や戸を閉めておく
  • 洗濯物、布団を外干ししない
  • 外出時には帽子、マスク、めがね、花粉の付きにくい衣服
  • 帰宅時屋外で衣服、髪の花粉を落す
  • 帰宅時うがい、手洗い、洗顔
*室内の清掃

掃除機だけでなくぬれ雑巾やモップの使用も効果的

*体調管理

鼻づまりの原因になる飲酒はほどほどに

症状のない人もご用心

症状のない方も安心はできません。花粉を浴び続けると症状がでたり、無症状でも花粉症の原因となる抗体ができる可能性があるからです。従って花粉対策はみんなに必要なことなのです。

初期治療が大切

これは症状軽減や期間短縮のため花粉が飛び始める2週間ほど前または軽い症状がでた時期から薬を服用する方法です。花粉量が多くなり症状が悪化したときには薬を追加したり変更したりもします。花粉症にはたくさんの薬がありますが、効果や副作用には個人差もあります。翌年の治療の参考になりますので、自分にあった薬は覚えておくとよいでしょう。

また42-43度の水蒸気を吸入すると症状が軽くなるため、妊娠初期など薬が使えない方は蒸しタオルや入浴を試してはいかがでしょうか。

「暮らしとからだ」第552号(2010年2月付)

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