健康コラム
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白内障とその治療
汐田総合病院 眼科 北原 江 医師
眼科診療をする中で、一番よく聞く患者さんの訴えは「眼のかすみ」かもしれません。「眼のかすみ」は、年代別に様々な原因が考えられます。ご高齢の方に最も多く見られる原因として「白内障」が挙げられます。今回は白内障とその治療についてお話しします。
白内障はどんな病気?
光は眼の中のレンズ(水晶体)を通過し、眼の奥(網膜)で感じとります。これによって私たちは初めて物を見ることができます。しかし光を透過するレンズである水晶体は、加齢によって段々硬くなり濁りも出てきます。すると光が眼の奥まで届きにくくなり、視界が「かすむ」ようになります。この水晶体の濁りこそが白内障です。
個人差はありますが、ほとんどの方は60歳前後から白内障を発症します。初期の段階では濁りの程度が軽く、視力にそれほど影響は出てきません。しかし濁りによって光の乱反射が起き、以前よりまぶしく感じることが少なくありません。徐々に進行し、濁りが光を遮ると視力低下がおきます。
白内障の治療
白内障の根本的な治療は手術になります。点眼薬もありますが、それによって濁りがなくなるわけではありません。手術までのつなぎという位置づけです。
濁った水晶体を超音波で(乳化)吸引して、透明な人工レンズと入れ替え、光の通り道をクリアにすれば視力が回復します。通常は局所麻酔(点眼麻酔)で、30分程で終わる手術です。
生活の質を守るために早めの治療を
白内障は慢性的に進行するため、見え方の不調に段々と慣れて、年齢のせいだと放置する方を時折見受けます。また残念なことに、見えなくて困るようになってから初めて受診する方もいらっしゃいます。その時には既に、高齢のためレンズを支える組織が弱く、レンズも硬くなり、簡単に取り除けない状況になっていることがあります。
白内障は高齢になれば必ずと言っていいほど全員が発症する病気です。手術で治癒できますので、「眼のかすみ」など自覚症状が出たら放置せず、眼科を受診してください。質の高い生活を維持するためにも、早めに治療しましょう。