健康コラム

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ボケ防止講座(8)「ホームドクターを持つこと」

うしおだ老健やすらぎ施設長 天野 皓昭医師

いよいよ、今回が最終回です。今回は、主治医を持つことの必要性を話します。病気になり、その症状により、あっちこっちの医療機関に行っても、かかりつけ医(ホームドクター)を持たない人が多くあります。

人は歳をとれば、身体の色々なところに不具合が生じます。自己判断ではなく、体調の変化を相談できる医師(家庭医)を持つことを薦めます。これは、歯科についても同様です。歯の具合が悪いと、消化器病を始め、色々な病気の引き金になります。

友の会の年1回検診の脳ドックを有効に活用

ご存知のように、友の会では年1回の検診をやっております。検診項目には、主たる病気をチェックする内容が含まれており、検査結果を相談出来るシステムもあります。これを有効に活用して、少なくとも三ヶ月に一度は主治医を受診する習慣をつけて下さい。生活習慣病の予防・対策や癌などの早期発見のためにも是非とも活用して欲しいものです。

地域での相互扶助の必要性

今後、日本は超高齢化社会を迎え、人口の1/3を六十五歳以上の高齢者が占め、認知症患者数は三百五十万人を越すと言われております。

現在、全国の老健病床数は約四十万床ですから、全ての対象者を受け入れる介護・医療機関の体制はありません。結果的に、在宅ケアをせざるを得なくなります。その際、身体的・精神的な障害レベルに見合った、地域社会の支援体制の整備が急務です。

どのような死を迎えるか

人は、何れは死にます。最近の遺伝子研究で人の寿命を検討したところ、120歳が限界と出たそうです。昔から不老長寿の薬が捜し求められましたが、これは無駄ということです。

大切なのは、如何に健やかに人生を送り、満足して死を迎えることが出来るかではないでしょうか。死を恐れるのではなく、安らかな死を迎えることを今から心がけましょう。

平均寿命から推測しても、60 歳で退職したとしても、25年の人生が残されております。この残された人生を、昔の絵に描かれたような、隠居して、縁側でこっくりこっくりの居眠りをする生活は感心出来ません。自分の目的を持ち、再び社会に貢献できる新しい生活をスタートすると言う意気込みのある計画を立てましょう。

長い間、ボケ予防のご購読ありがとうございました。

「暮らしとからだ」(2008年3月付)

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