健康コラム

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横浜市の救急体制(前編)

汐田総合病院 救急科 北野 光秀 医師


 本邦(横浜市も)の救急体制は、初期(一次)救急、二次救急、三次救急の3段階に分かれています。それぞれ解説していきましょう。最後にアドバンス・ケア・プランニング(人生会議)について簡単に説明します。

 

初期(一次)救急
 発熱や下痢などの症状はあるが歩行できる患者さんは、診療所や病院の外来を受診します。病院外来は多数の患者さんで混雑しているので、症状が複雑で各種検査が必要な場合は、救急外来で救急医が診療することもあります。
 夜間や休日は一般外来はやっていないので、救急病院を受診していただきます。当院を含め鶴見区内の多くの病院が初期救急をやっています。そちらの病院に電話をしてみてください。特にかかりつけの病院があるときは比較的受け入れは良好です。時間帯によっては、横浜市夜間急病センター(桜木町駅前20時~24時:内科・小児科・眼科・耳鼻科)があります。横浜市には他に2カ所、都筑区と泉区に夜間急病センターがあります。休日の日中なら鶴見駅近くの休日急患診療所(10時~16時: 内科・小児科)が開設されています。
 四肢や頭部の軽度の外傷では、夜間・休日に受け入れてくれる救急病院が少ないのが現状です。困ったときは横浜市救急相談センター(♯7119)に電話で問い合わせてください。受診できる病院を探してくれます。また救急車を呼ぶべきか迷う時も相談にのってくれます。

二次救急
 発熱や腹痛などで動けない患者さんの場合は救急車を呼んでください。救急隊員が患者さんの状態から病院を選び電話します。全身状態の安定している患者さんは通常の救急病院へ搬送します。この場合もかかりつけ病院があるとスムーズに搬送できます。
 夜間・休日、一般病院では救急外来をやっていないことが多いので、二次救急病院に搬送します。輪番制度と言って、月に3~4回当番日は救急外来を開きます。横浜市ではさらに二次拠点病院制度があります。二次拠点病院は24時間365日二次救急患者を受け入れています。二次拠点病院Aが済生会横浜市東部病院、Bが当院です。※
 救急診療では、患者さんのお話しを聞きながら診察や検査などを行います。帰宅できる患者さんも多いです。(次号に続く)

※二次救急拠点病院は、病院の診療機能に応じてAとBに区分し、患者の重症度に応じて搬送先を選定するなど、病院間の機能分担を図ることとしています。

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