健康コラム
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糖尿病について(後編)
汐田総合病院 内科 佐野 達也 医師
前回の続き
糖尿病はコントロールする病気です
糖尿病による高血糖状態はきちんとした医師の指導を受け治療をすれば確実に良くなる病気です。
しかしインスリンの作用が不足している状態は、加齢や長年の生活習慣の結果として起きたものなので、多くの場合なかなか元に戻すことができません。治療によって一時的に血糖値が改善しても、治療を継続し、生活習慣の改善がなければ病態も悪化します。
血糖値を下げて健康な人と同じくらいに保とうとすることを「血糖をコントロールする」といいます。糖尿病の方も血糖コントロールを続けていけば、高血糖で起こるさまざまな病気(合併症)を防ぐことができ、寿命も健康な人と変わりません。しかし血糖コントロールを守らないと、合併症(小血管症、大血管症)は知らず知らずのうちに進行します。
合併症は一度発症してしまうと一般に治療が難しく、進行を抑えることが治療の主な目的となってしまいます。気づいたときには取り返しのつかない状態になっていたという患者さんも少なくありません。糖尿病は「治る」「治らない」といった表現はせず、「しっかり治療をすれば、一生治ったと同じ状態を保つことができる」といえます。
糖尿病は自己管理が大切な病気です
糖尿病では中途半端な知識や治療は、逆に怖い結果につながります。しっかりした指導を受け、正しい治療を気長に続けることが大切です。自分自身のために日々の自己管理を継続して頑張りましょう。