健康コラム
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便秘症について
汐田総合病院 研修医2年目
河内 友里 医師
新型コロナウイルス感染症の蔓延による外出自粛の長期化により、ストレスや運動不足が続き便秘になる人が増えていると言われています。便秘は多くの人が経験することから、軽視されがちですが、便秘を放置したままにすると腸内細菌の中の悪玉菌がつくる毒素がたまって、腸管ひいては全身に影響を及ぼします。
肌荒れや集中力の低下、うつ、免疫力の低下やがんなどとの関連もあり決して侮ってはいけない不調です。そこで今回は便秘にならないよう日頃からできることを3つのポイントに絞ってお話したいと思います。
①食生活の改善
からだによい影響を与える善玉菌が育ちやすい食品としてまずは食物繊維が挙げられます。
食物繊維には便のかさを増やす「不溶性」と柔らかくする「水溶性」の2種類があります。不溶性は穀類や野菜、水溶性は海藻や果物に多く含まれます。不溶性だけを取り過ぎると便秘が悪化することがあり、バランスが大切です。
ブロッコリーは特に腸への効果が高く、ゆでるだけで様々な料理に活用できるのでおすすめです。他にヨーグルトや漬物、納豆などの発酵食品、バナナやタマネギに多いオリゴ糖、青魚や鮭に含まれるEPA・DHAも健康な腸の強い味方となる食品です。これらを無理のない範囲で積極的にとり入れましょう。そして十分な水分摂取も忘れずに。
②生活習慣の改善
規則正しい生活を意識することが大切です。基本的なこととして起床したら必ず食事をとるようにする、腸の空腹時間をつくるために食事は夜20時頃までに済ませる、良質な睡眠をとるなどです。その他に意識的にリラックスする時間を設けることも重要です。
おすすめは入浴の習慣です。ぬるめのお湯で15分ほど半身浴をすると副交感神経が高まり腸をリラックスさせることができます。そのほかに自分なりのストレス解消方法をみつけることも大切です。
③運動の習慣化
運動をしないと腸管の動きが悪くなり便の滞在時間が長くなり、大腸癌のリスクが高まる要因となります。1日15分、少し息が切れるくらいの運動をすると14%も死亡率が下がるという研究データがあります。便秘気味の方はスクワットやジョギングなど筋力をつけたり早く動いたりする運動が有効です。
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以上日頃からできる便秘対策を簡単にまとめさせていただきましたが、症状が深刻な場合は直腸癌や腸閉塞、パーキンソン病になどに伴う便秘の可能性もあるため、専門の医療機関の受診をしていただくことを勧めます。