健康コラム

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腹横筋を意識してみませんか? ~腰痛の対策として~

汐田総合病院リハビリテーション科(運動器疾患担当) 高橋健一医師

腹横筋

 人の身体には、コルセットの役割をしている筋肉があることを知っていますか? コアトレーニング、ドローイング、ピラティスなどと聞いたことがあるかもしれません。その共通点は、インナーマッスルを重視していることです。

 腹横筋は、腹筋でインナーマッスルの一つです。腹筋の中で体幹の最も深層にあり、身体の動作には直接関係しませんが、大切な役割をしています。

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腹横筋の役割

 腹横筋の働きは、①腹部を圧縮し腹圧を高め、腹部内臓を保護すること、②同時に、腰椎を含め体幹を安定化すること、の2点です。簡単にいうとコルセットの役割です。

 日本では、武術や力仕事の時に、『腹に力を入れて…』『丹田に力を入れて…』『おへそをひっこめて…』などと表現します。腹・丹田・おへその場所には腹筋があります。

 実際に、おへそをひっこめると、腹筋に力が入り、腹部が硬くなり、体幹が安定します。この時に働いているのが、腹横筋なのです。

体幹の安定化の重要性

 人の身体は、動く時に、まず無意識に体幹を安定化し、それから四肢などを動かします。最初に体幹が安定するのでスムーズに動けます。体幹を安定化する時に腹横筋が働きます。腹横筋の筋力が弱いと、十分な体幹の安定化ができず、その状態で動けば、腰痛を生じやすくなります。

腹横筋の筋トレ

 腹横筋は意識的に鍛えられます。深呼吸で息を吐く時に、腹横筋が働きます。吐き切った時が、腹横筋に最も力が入った状態です。このとき、おへそをひっこめているはずです。そのまま維持するのが基本的な筋トレとなります。この時に、呼吸は止めたままにしないようにして下さい。

 腹部の手術を受けた方は腹痛を生じることがあるので、主治医に相談して下さい。

 最初は意識的でも、慣れると、無意識に腹横筋に力が入るようになり、しっかりと体幹を安定化できるようになります。腰痛対策となるので、ぜひ試してみてください。

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