健康コラム
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関節痛(リウマチ)について(1)
汐田総合病院 整形外科
佐々木 正造医師
関節痛(リウマチ)について、今回よりシリーズでお話しさせていただきます。関節痛(リウマチ)と書いたのは、関節痛これすなわちリウマチといえる関係があるからです。
「リウマチ」という単語をご存知の方は多いと思いますが、実はこの単語には2通りの意味があります。
一つ目は手や足が痛くなる状態を全部ひっくるめて「リウマチ」と呼ぶもので、海外ではこの使われ方が多く、銭湯や温泉で見かける効能書きの「神経痛、リウマチ…」の「リウマチ」というのも、こちらの意味を指しているのだと思います。
二つ目は「関節リウマチ」という特定の病気を指すものです。国内で関節リウマチに罹患されている方は約80万人で、人口1000人に対して女性5・2人、男性1・1人といわれています。
今回は前者、関節痛全般についてお話しします。
痛みの原因は軟骨のすり減り
関節痛を起こす原因のトップは「変形性関節症」と呼ばれる疾患です。ごく簡単にいいますと、「軟骨がすり減る」ことです。中高年の方で「膝が痛い」といった時は、変形性関節症のことが多いですし、若い人でも強い運動負荷にさらされていると軟骨がすり減り発症します。甲子園球児やオリンピック選手では10代で発症しているケースがみられるのです。では、ここで3つの疑問を投げかけてみましょう。
- 運動しすぎると軟骨がすり減るのなら、運動しない方がよいのか?
- 減ってしまった軟骨を元に戻すことは出来ないのか?
- グルコサミンなどのサプリは有効か?
今回は字数の都合上ここまでになります。
次回、これら3つの疑問について順に詳しく述べていきます。