健康コラム
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リハビリロボット「ReoGo-J」導入!
汐田総合病院リハビリテーション課
竹本龍太(作業療法士)
リハビリテーション課では、最新のリハビリロボット機器「ReoGo-J」を導入しました。
「ReoGo-J」とは帝人ファーマ株式会社より2016年に発売された「上肢用ロボット型運動訓練装置」の名称です。ロボットのアームに腕を乗せ、モニターに表示される目標点に向けて動かすことによって、麻痺している腕のリーチ動作訓練や異常筋緊張の改善に効果があるとされています。
また、17種類のアームの動きと5種類の異なる訓練モード、負荷や速度、範囲などを組み合わせて設定することが可能なため、動かした際に顕著な腕の痛みがない限り、麻痺の重症度を問わず様々な方に幅広く使用していただくことができます。
当課では入院・外来患者様、短時間デイケア利用者様を対象とさせていただいており、利用された方々からは「ゲーム感覚でおもしろい」「達成感がある」などの声を数多くいただいています。
近年の脳研究では、自らの意志で麻痺した腕を動かすことは、脳の上肢機能に関わる部位への刺激が増加して脳の機能回復が促進され、上肢の運動機能改善が期待できるとされています。「ReoGo-J」は、自らの意志でアームを動かす設定が可能なため、同様の改善効果を期待することができます。
また、この機器の前身にあたる「ReoGo」の臨床研究においては、上肢の運動機能を評価する指標の変化量が自主訓練の場合に比べて2.5倍に増加したという研究もあります。
先日は、北海道から東北、関東甲信越で「ReoGo-J」を導入している施設の方々が集まる会議に参加させていただきました。各施設での使用方法は様々で、多くのアドバイスを頂戴することができました。当院では、従来より積極的な麻痺手の使用を促すCI療法や随意運動介助型電気刺激装置(PASシステム)を使用しての訓練も行ってまいりました。これらの療法を併用することにより、今後さらに質の高いリハビリテーションを提供していきたいと考えております。