健康コラム

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最後まで住み慣れた我が家で(6)

うしおだ福祉サービス 柿崎 勉

 これまで5回にわたりアプローチという観点でお伝えして参りましたが、いかがだったでしょうか?ご紹介してきた内容は、どれも時間やコストを掛けての事例でしたが、最終回の今回ぐらいは、ご家族が今すぐに出来るポイントをご案内させて頂きます。多くの方が耳の痛い内容になるかもしれません。

3-福祉サービス(上)_649号

 それは、「お家の中を片付けましょう!」ということです。せっかくの広い居室も廊下にも、階段の両隅にも荷物がいっぱいのお宅が実に多いのです。皆さん方に心当たりはないですか?荷物がつまずきの原因となったり、幅が狭くなり歩行や車椅子での進路に支障をきたし、わざわざ遠回りをして移動しているケースが見受けられます。ここは処分する機会です。ご家族の安全のため、負担軽減のために思い切って片付けてしまいましょう。

 また、発想を変えて、安定した家具を動線上に設置して、伝え歩きに利用するのも有効な方法です。この様なレイアウト変更は、ご本人の動線を確認した後におこないましょう。
 環境整備と聞くと大掛かりなイメージを持ってしまいますが、まずは片付けが有効な手段だと考えています。広々とした我が家に戻り、新鮮な気分で過ごせることでしょう。その後、病院のセラピストや改修事業所等の専門職との相談が理想と考えています。

3-福祉サービス(下)_649号

 約半年にわたりご案内させて頂いた住宅改修のワンポイントも最終回となりました。私たちコーディネーターが心掛けているのは、在宅内で事故を防げる提案と、ご本人が自立した日常生活を過ごせて、同時にご家族の負担軽減にもつながる方策を考えることです。ご自宅の改修を検討しはじめた時にでも、このご案内を思い出して頂き、お近くの介護事業所にお声掛けください。専門職のお手伝いとそれぞれの工夫によって、住み慣れた我が家での時間がいつまでも続くことを願っています。半年間ありがとうございました。

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