健康コラム

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患者になった医師より「脳出血で緊急入院」

汐田総合病院 内科 髙山研一医師

突然の異変

 アポりました。
 「アポる」とは業界用語で、apoplexy=脳卒中を捩った造語である。実は脳卒中とは正しい医学用語ではなく、脳血管障害(脳梗塞、くも膜下出血、脳出血など)のほうがふさわしいと云える。

症状を自覚

 異変に気付いたのは、今年7月のはじめ、電子カルテを打っていた時であった。ふだんはラフマニノフ(※1)のように華麗なタイピングをする私であるが、ミスが多くどこかスムースさに欠けるようになった。ほかに、しゃべりにくい、つばが右口角に溜まりやすいなどの症状を自覚した。
 最初は気のせいかと思いしばらく経過をみていたが、症状に改善がないため7月の中旬になって頭部の画像検査を受けた。
 脳出血であった…。
 医局で自分の画像を専門の先生に診ていただいた。
 にわかに医局内が騒めき、あれよあれよという間に入院することとなった。

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病室の天井を見上げ

 そして、私は患者になった。
 慌ただしい日常から隔離され、静かな病室の天井を見上げながら自省した。
 血圧の自己管理の甘さを痛感し、不摂生な生活を恥じた。
 脳血管障害の年間患者は118万人弱、年間死亡数は11万人少しである。
 症状は頭痛、片側の麻痺、呂律が回らない、視覚の異常、めまいなどが典型とされる。このような症状が出た場合にはすぐに医療機関を受診し、検査を受けた方が良い。

周囲にも励まされ

 脳出血の原因は何といっても高血圧、そして食生活である。ほかに低コレステロール、飲酒、抗凝固薬の服用などが挙げられる。
 このようなリスクを抱えている人は、しっかりと降圧薬を服用し、食生活を改めるべきである。過度な飲酒は避け、タバコとはおさらばし、まじめ人間ギャートルズと化さねばならない。
 「ひとにやさしくされたとき、自分の小ささを知りました♪」モンパチ先生(※2)の言う通りだな。
 同僚の先生方、看護師さん、理学療法士さん、言語聴覚士さん、放射線技師さん、薬剤師さん、事務の方々、そして患者さんからも温かい言葉を頂きました。こういう人たちに囲まれた私は幸せ者である。

※1 セルゲイ・ラフマニノフ。ロシア出身の作曲家・ピアニスト・指揮者。
※2 MONGOL800。沖縄出身の3人組ロックバンド。

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