健康コラム

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元気なお年寄りになるための体操(2)

うしおだ老健やすらぎ所長 天野皓昭医師

効果的な準備運動と整理体操

第一回は、歩行運動について書きました。今回は、運動前後の準備・整理体操について書きます。歩行運動前にはウオーミングアップにより筋肉を柔軟にしておきます。また、歩行運動により、全身の筋肉が伸縮して、疲労しております。そのために、整理体操は、筋肉の緊張を取り除く(クールダウン)上で非常に有効です。案外、この準備・整理体操は軽視されておりますが、年をとってからは特に大切です。日常的に習慣づけるようにしましょう。

基本的な準備・整理体操

上半身のストレッチ運動としては腰痛予防の上からも大切です。ゆっくり背伸び運動、上半身のねじり運動、下肢関節(股関節、膝関節、足関節)のゆっくりとした屈伸運動をします。ゆっくりとしましょう。老化の兆候は、これら関節の可動域制限にみられます。無理な屈伸は、関節炎の原因になります。足首をゆっくりと廻しましょう。片足立ちでやる必要はありません。いすに腰掛けて、ゆっくりと廻しましょう。ついで、アキレス腱の伸展です。一歩引いた足の足底を地面につけ、反対足の膝をゆっくり曲げて、体重を載せます。少しふくらはぎが、ひっぱれる感じで数秒我慢します。反対足も同じ運動をしましょう。

股関節の伸展には、さらに半歩足幅を広げて、腰の位置を下げます。後ろ足の踵が浮きます。その分、前足に体重が一層かかります。この姿勢で五秒間我慢します。整理体操では、深呼吸などの体操を加えて下さい。心肺機能を強化する上でも有効です。

記録を書き込み、励みとする

運動療法で最も大切な事は、継続することです。そのためには、色々な工夫が必要です。夫婦で一緒の運動も良いかもしれません。自分の経験で、一番効果のあるのは、運動量をグラフに書き込んでいくことです。グラフ用紙を目に付きやすいところ(寝室のドア、玄関のドア)に貼り付け、毎日記入することです。これは、持続にとって、最も良い励みになります。昨日は、少し運動量が少なかったので、今日はその分を頑張ろうと言う意欲も出てきます。万歩計を用いるのも良い方法です。最近は、色々な種類の計器も出ており、一週間連続して測定できるものもありますが、私自身は簡単な計器でも、十分と思っております。さあ、今日から初めて見てください。

「暮らしとからだ」2006年9月号

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