健康コラム
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元気なお年寄りになるための体操(1)
うしおだ老健やすらぎ所長 天野皓昭医師
高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病は、脳梗塞や脳出血などの原因ともなります。可能ならば、これらを予防したいものです。予防法としては、食事療法や運動療法が有効です。運動療法の中でも、歩行運動(ウオーキング)は最も手っ取り早い運動療法です。数回にわたり、運動療法をご紹介します(主に、湯浅景元著「老いない体をつくる」、泉嗣彦「医師がすすめるウオーキング」からの引用です)。
基本運動としてのウオーキング
最近は、乗り物が便利となり、生活があわただしくなり、歩く事がめっきり少なくなりました。しかし、歩く事は、体の老化を予防する上で、非常に大切な役割を果たしてくれます。適度の歩行運動によって、老化予防に取り組んでみましょう。筋肉老化を予防し、生き甲斐のある老後を迎えるための身体作りが目的です。自分に見合った運動方法を見つけて頂きたいものです。
基本的な歩行姿勢は
上体は胸をはり、はるか前方を見た姿勢が基本です。腕は肘を直角に曲げた形で、大きく腕を振って、上体を前に運ぶようにします。腰から下は、膝をあまり曲げずすっと足を前に出し、踵で着地し、次に前足で土を蹴るようにします。
速度は
時速6 ~7 Kmで歩きます(1分間100 m)。歩いていて息苦しい時は、速度を落として、自分のペースで歩いて下さい。脈拍数は、下の計算式を一応の目安とします。慣れると、それ程脈拍数は増加しません。運動時間は40~50分が良いでしょう。
計算式は、(138-(年齢÷2):50歳代で113、60歳代で108)。
エネルギーの消費は
運動の開始時十五分は主に血液中の糖が、その後は体内脂肪が分解されて、エネルギー源として利用されます。最近お腹が出てきたと気になる人が、効率よく体内脂肪を燃焼させるには、一回に三十分以上継続した歩行が薦められます。
熱中症予防を
途中で汗が出るようですと、適度に水分補給をしてください。特に、これから夏になると、熱中症の心配も出てきますので、こまめに水分補給が必要です。
「暮らしとからだ」2006年8月号