健康コラム
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高血圧のはなし(3)
汐田総合病院内科 加藤崇之医師
高血圧の運動療法
運動療法は食事療法、薬物療法と並んで重要視されています。それは
① 血圧の安定もしくは低下
② 筋力アップによる代謝面での改善
(糖尿病、高脂血症等の生活習慣病を予防)
③ 心臓自体が鍛えられ、心臓の負担が軽くなる
④ ストレス解消
の効果が考えられます。
運動種類としてはウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、体操、水泳などの有酸素運動がよいが、息を止めて力をこめる運動(懸垂、腕立て伏せ、重量挙げなど)や団体競技(サッカー、バスケットボールなど)は望ましくありません。
運動の強度としては、汗ばむ程度、脈拍数で138-(年齢÷2)になるペース、通常は110~120程度が望ましいです。運動の頻度は1日に30分以上を2日に1回、出来れば毎日行うことが理想的です。無理なく継続することが大切です。症状によっては医師と相談のうえで進めていきましょう。しかし、①安静時血圧が180/110㎜Hg以上 ②脈拍が1分間に100以上 ③心臓、腎臓、脳に障害がある ④体調が悪い(熱がある、頭痛・腹痛がする、下痢をしている、睡眠不足など)の時は避けましょう。
アルコールと高血圧について
少量のアルコールは血管を拡張させ、血圧を下げます。1日の適量としてはビールなら大瓶1本、日本酒なら1合、ウィスキーならシングル2杯、ワインなら30ml程度です。適量を守り、飲み過ぎないようにしましょう。
高血圧とストレスについて
ストレスは血圧を上昇させる原因となりますので、ゆとりをもって生活することが重要です。自分なりのストレス解消法を見つけて、自分のペースを取り戻しましょう。
最後に、入浴で気をつけることをお話します。
① 冬場は脱衣所や浴室をあらかじめ温めておく。
② 浴室が温まっていない一番風呂は避ける。
③ 半身浴とする。
④ お湯の温度は42℃を超えないようにし、入浴時間も短めにする。
⑤ 冷たいタオルを頭にのせ、湯のぼせを防ぐ。
⑥ 体調の悪いとき、飲酒後、食事直後の入浴は避ける。
⑦ 出浴後はコップ1杯の水分を補給する。
「暮らしとからだ」2006年7月号