健康コラム

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スギ花粉症とじょうずにつきあうために

汐田総合病院耳鼻咽喉科 塩野久子医師

今、日本人の六人に一人はスギ花粉症といわれています。三月を憂うつな季節の到来と感じる方も多いことでしょう。

くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどのアレルギー症状は、スギ花粉に体が反応しておこります。症状を抑えるためには、花粉を吸入しないことと花粉に反応しにくい体をつくることが大切になります。

1) 日常生活での注意点

気温の高い日・乾燥して風の強い日・雨の翌日は花粉が多くなります。また、昼~夕方も多くなります。外出を控え、窓や戸の開け放し・洗濯物や布団の外干しは避けましょう。

外出時は、帽子・めがね・マスクを使用し、花粉のつきにくい表面がサラサラした上着を着るとよいでしょう。帰宅時には外で全身の花粉をよく落としましょう。特にズボンやスカートの裾は花粉がつきやすい場所です。うがい・洗顔・入浴・洗髪もよいでしょう。また、ご家族の協力も大事なことです。

まめにそうじをし、体調を整えることも心がけましょう。

2) 初期治療が大切

花粉の飛び始める一~二週間前から薬を使い始めると、症状のでる時期を遅らせたり、軽くすることが知られています。今年間にあわなかった方も、来年は症状が出る前の受診をお勧めします。例年二月初旬から中旬に花粉が増え始めますから、一月末頃が受診の目安です。

治療の前には、花粉症の診断や症状を悪化させる他の病気がないか診察を受ける必要があります。医師とよく相談して、症状や生活状況にあった薬を選び、シーズン中は続けるようにしましょう。また、来年のために効果のあった薬を覚えておくとよいでしょう。

しっかり対策をして、じょうずに花粉症の時期を乗り切りましょう。

「暮らしとからだ」2006年3月号

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