健康コラム
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口腔外科とは
汐田総合病院 歯科・口腔外科 時崎 洋歯科医師
口の周辺 幅広く診断・治療
「汐田総合病院歯科」は2016年11月から「汐田総合病院歯科・口腔外科」に診療科名が変わったのですが、ご存じでしょうか? すでに半年以上が経過していますが、悲しいことに院内ではほとんど知られていません。
院外では患者さんをご紹介してくださる近隣の開業歯科医の先生方の存在やホームページを見て受診される患者さんがいたりなど、徐々に浸透している手応えを感じています。ここでは今までと何が違うのかをお知らせしたいと思います。
そもそも口腔外科をご存じですか? 耳慣れない言葉かもしれませんが、歯科医学の専門分科のひとつで「こうくうげか」と読みます。口の中を構成し、また口に関連する器官に発生した疾患に対して診断・治療をおこなう診療科です。
口腔は口唇、歯肉、舌、頬粘膜などの軟組織に囲まれ、これらは上顎骨や下顎骨といった硬組織で支持されています。また顎骨には歯が植立しています。さらにこれらの周辺に存在する口腔機能に重要な役割を果たす関連器官、すなわち顎関節、唾液腺、所属リンパ節が挙げられます。
このような場所に発生した先天異常、発育異常、損傷、炎症、嚢胞、良性腫瘍、悪性腫瘍、神経疾患などを治療対象とするのが口腔外科です。この領域の異常は、食事や発音・会話がうまくできないなどの機能的な障害に加えて審美的な障害も生じます。治療により口腔・顎・顔面全体の自然な形態や機能が回復すると、顔全体がいきいきとし、健康的な美しさを取り戻すことができます。これまでの虫歯を治す、入れ歯を作る、歯石を除去(クリーニング)するといった一般歯科診療と比べて大きく違いがあることが理解できると思います。
外来で行う口腔内の小手術はもちろん、入院しての治療や全身麻酔での手術も可能となりました。当院は総合病院ですので、その特徴を生かし、引き続き関連各科と連携を密にした安全な治療を行っていきます。
ぜひ「汐田総合病院歯科・口腔外科」を覚えていただき、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。