健康コラム

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「認知症のお話」(4)

汐田総合病院 医師 宮澤由美

脳機能改善に役立つロボットたち

 介護ロボットが少しずつ市場にでて、病院や介護施設で導入され始めています。認知症の分野で注目されているのはコミュニケーションロボットです。

 「パロ」はアザラシのあかちゃんの姿をしており、センサーや人工知能を搭載することで、人間の呼びかけに反応したり、なでると喜んだりします。まぶた、前足、後ろ足の動きがかわいらしく、名前を付けて何度も呼ぶと返事をするようになり、何とも言えないあいらしさが癒しにつながります。

 独立行政法人産業技術総合研究所知能システム研究部門の研究では、認知症の高齢者の脳機能の改善に役立つとの結果がでています。

 汐田総合病院と老健やすらぎでお試しに使用してみましたが、認知症の方の表情がよくなったり、活気がでるなどの効果がありました。

 加えて実感できたのは介護者に対する効果です。認知症の方の看護や介護にあたる職員にも微笑みや安堵の表情がみられ、「パロ」が周囲に与える癒し効果が大きいことが痛感されました。アニマルセラピーに似た効果かもしれません。

 また「たいぞう」という介護予防体操を実演してみせる人間型ロボットも発売されています。約30種類の体操ができ、参加者と簡単な音声対話もできるため、参加者の意欲があがったり、体操指導者がより効果的な指導をすることができます。

 いずれもまだ当事業所に導入されていませんが、近い将来に実現し、病院内、事業所内、共同組織、そして地域の皆さんに多くの笑顔がみられるといいですね。

アザラシ型ロボット「パロ」の写真

上の写真は、アザラシ型ロボット「パロ」

人間型ロボット「たいぞう」の写真

上の写真は、介護予防体操をする人間型ロボット「たいぞう」(国立研究開発法人 産業技術総合研究所HPより)

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